ベトナムにはカフェが多い。サラリーマンには息抜きの場だし、旅行者が一休みするにはもってこいの憩いの場だ。
カフェが多い背景は、植民地時代にさかのぼる。フランス人宣教師がコーヒーを持ち込み、庶民にまで広がっていった。今でも地方では、小さなテーブルと銭湯にあるような小さな椅子でコーヒーを出している簡易カフェが少なくない。
ただハノイやホーチミンなどの都会では、ビジネスマンや外国人観光客が楽しめるようなしゃれたカフェが目白押しだ。
ベトナムでカフェ文化がここまで浸透したのには、コーヒー栽培が一役買っている。実はベトナムの中央高原は、コーヒー栽培に適した場所だったのだ。
米スターバックスは先月、ベトナムで異色の店舗をオープンした。アジアで一番高所にある店舗というのが売りだ。
高原都市サパにあるファンシーパン山の新店舗がそれだ。この山は、インドシナ半島の屋根と呼ばれるベトナム最高峰で、標高は3143メートル。驚くことに頂上までケーブルカーで行ける。料金は8000円ほどと少々高いが、一気に雲の上まで登ることができる。
そのケーブルカーの山頂駅に造られたスターバックス・ファンシーパン店は、全面ガラス張りで、コーヒーを飲みながら雲海を眺めたり、夕日を楽しんだりできる。
昔、ベトナムの山を歩くと、テレビもなく、おばあさんが孫に伝承民話を話して聞かせたり、子供たちがはだしで走り回ったりと大昔にタイムスリップできる魅力に満ちていた。今は、近代化の最先端に立つ頂上もある。(T)






