トップコラム【ワシントン発 ビル・ガーツの眼】中国製兵器の欠陥露呈 技術者ら失跡相次ぐ 共産党の「構造的問題」も

【ワシントン発 ビル・ガーツの眼】中国製兵器の欠陥露呈 技術者ら失跡相次ぐ 共産党の「構造的問題」も

中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ9)」=2017年7月、北京(EPA時事)
中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ9)」=2017年7月、北京(EPA時事)

 中国の軍事技術者、兵器開発担当当局者らが相次いで消息を絶っており、粛清が進んでいるのではないかとみられている。中国製兵器がイランなどで相次いで破壊されたり、機能しなかったりしたことを受けた措置とみられ、中国問題専門家は、背景に中国共産党の「構造的問題」があると指摘する。

 米国務省の元政策顧問マイルズ・ユー氏は、ステルス機など高度な脅威を探知・抑止できると宣伝されていた中国の兵器システムが、最近の米軍による攻撃に対して無力だったと指摘した。

 ワシントン・タイムズ紙のコラムニストでもあるユー氏は、「これらの失敗は特定の兵器の問題にとどまらず、中国軍の実際の能力が、必ずしもその主張通りではないことを示している」と述べた。

 中でも際立つのは、中国の長距離地対空ミサイル「紅旗9(HQ9B)」だ。2025年半ばに、石油と兵器の交換取引の一環としてイランが導入したものとみられている。

 HQ9Bのミサイルとレーダーは、核施設など重要拠点に配備され、ロシア製「パンツィリS1」などと共に多層防空網を構成していた。

 しかし、航空機やミサイルを撃墜できるはずのHQ9Bは、米国とイスラエルの空爆を受けて、発射前に破壊された。

 また、ステルス機の追跡能力があるとされた超短波3Dアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー「JY27A」も、ミサイルや爆弾による攻撃に対して効果を発揮できなかった。

 中国製兵器の問題が露呈したのは今回が2度目だ。

 ハドソン研究所中国センターの所長でもあるユー氏によると、ベネズエラでの米軍によるマドゥロ大統領拘束作戦の際にも、中国製装備の不備が明らかになり、作戦後、多くの人民解放軍幹部が公の場から姿を消した。

 粛清は今年初めからの3カ月間で、兵器開発に関わる科学・産業分野にも広がっていた。

 ユー氏によれば1月以降、空母開発、戦闘機設計、レーダー、防空ミサイル、戦略兵器など主要兵器開発分野の関係者らが公の場から排除されたり、地位を奪われたりした。

 こうした失跡に加え、重要人物の訴追も相次いでいる。戦闘機の主要製造企業である中国航空工業集団の譚瑞松会長は最近、汚職の罪で死刑判決を受けた。

 また、重要研究に関わる著名な科学者の不可解な死亡も複数報告されており、中国共産党のいら立ちの強さを浮き彫りにしている。

 ユー氏は「これら一連の動きは、中国共産党が深刻な構造的問題を抱えていることを示している」と指摘した。

 「中国共産党の体制は失敗を公然と認めることを許さない。欠陥が露呈した場合、特に米軍との能力の差が歴然となった場合、制度的な欠陥に対処するのではなく、個人に責任を押し付ける対応が取られる。その結果、技術革新が行われることはなく、政治的粛清が繰り返されるという悪循環が生じている」

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