
最近、テレビやインターネットでよく見掛ける「小さなお葬式」。比較的安価でこぢんまりと、家族だけで静かに最期の時を過ごし〝あの世〟への旅立ちをさせてあげるものだ。明朗会計で必要最低限の物品・サービスをパッケージにしてあるそうだ。だが、パッケージだから、すべて込み込みかというとそうでもない。基本プランに含まれない火葬料金、料理、返礼品、お寺へのお布施など追加オプションが地域によって異なり、追加料金が発生するケースもある。
昨今の葬儀は、盛大であることより合理性を重視、家族葬や直葬(火葬場隣接施設で通夜・葬儀を行う)が増えている。これは、高齢者の増加や経済状況の変化により、近親者だけで葬儀を行いたいというニーズが増えているためだ。
先日、某テレビ局で放送された番組の中では、少子高齢化を反映し、住宅事情や駐車スペースの問題を鑑み、大型のキャンピングカーのような車に、受付のテーブル、簡易的な祭壇など必要なものを詰め込み、喪主の家の近くにある広場、公園、駐車場で行うこともあると言っていた。
お寺の住職も高齢化が進み、なかなか現地まで足を運ぶことができず、リモートの画面でお経を上げたり、法話を語ることもあるという。お経や法話の長さ、戒名によってお布施〝料金〟が決まっているとも聞く。故人の生前の写真を人工知能(AI)で加工して、動画やホログラムで参列してくれた弔問客に「お礼の言葉」を述べることもできるようだ。
AIであろうが、自筆の弔辞を書こうが、故人を悼む心を柱にしてもらいたい。故人を失った悲しみをしっかりと表現することが求められる。人間の死は「肉体の死」と「忘れ去られた時」の2度あると言われる。世知辛い世の中になってほしくはない。
(和)






