
本紙連載「未来を守る命の教訓」の中で、東日本大震災の津波災害を免れた当時中学2年だった女性が「災害は必ず起きるという『自分事』として考えておく」こと、と防災心得を語っている。
いつ起きるか分からない巨大地震だが、今日、地震の揺れを感じる数秒から数十秒前に、警告音と振動で発生を知らせる緊急地震速報のシステムが普及している。鉄道会社では列車のスピードを落としたり、工場では機械制御、実験の中止など生産活動の一時停止の措置が取られたりする所もある。
個人や家庭のレベルではどうか。屋内外で対処が異なるが、警報音が鳴った直後の対応、揺れが終息するまでの時間にどんな行動が取れるか。そのことを気に掛け、実践しようとしている人は少ないのではないか。
気象庁は、南海トラフ地震に備えた地震・津波観測システム「N―net」を緊急地震速報に活用するとともに、震源推定に用いる地下構造モデルを高度化すると発表した。これで速報までの時間が最大で6秒早まり、将来は20秒程度短縮する可能性もある。
緊急地震速報システムは決して“地震の予知”ではなく、地震の到来を示すもの。揺れが始まる前に個人、集団、組織として何をなし得るか、具体的な方策を練り、取り決めておくことが大事だ。
また今のところ日本周辺での観測データの利用に限られるが、観測範囲が広がっていけば地震対策が進み、被害を抑えられるようになるはず。






