トップコラム「普遍的視聴権」論争【韓国紙】

「普遍的視聴権」論争【韓国紙】

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

1次リーグの豪州戦で、力投する日本代表の種市=8日、東京ドーム
1次リーグの豪州戦で、力投する日本代表の種市=8日、東京ドーム

 日本の野球代表チームが2026ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝でベネズエラに敗れ、時ならぬ「普遍的視聴権」論争が広がっている。オンライン動画サービス(OTT)プラットフォームのネットフリックスが独占配信権を取得し、少なからぬ国民が大谷翔平選手などスター選手たちの活躍を見守れなかった。

 日本メディアによると、ネットフリックスは150億円(約1400億ウォン)でWBC配信権を確保したという。以前の大会の5倍水準だ。デジタル機器の操作と有料決済に不慣れな中壮年の野球ファンが疎外されたという批判の中で、ネットフリックス解約が急増している。

 最近、閉幕したミラノ・コルティナ冬季五輪を巡って、韓国内でも似たことが起こった。JTBC(衛星放送やケーブルテレビ向けのテレビ放送局)が独占中継権を取得し、62年ぶりに「地上波中継」のない五輪となった。開会式の視聴率が1・8%にとどまり、スノーボード女子ハーフパイプ決勝でチェ・ガオン選手の劇的な金メダル獲得の場面を字幕で見る状況まで発生した。独占中継権を確保したJTBCと地上波放送局との交渉が決裂し、国民のアクセス権が大きく制限される結果を招いた。

 現行法は「国民的関心が非常に大きい運動競技大会などを視聴する権利」を規定する。五輪やサッカーワールドカップ(W杯)、アジア大会、WBCなどは「国民関心行事」に分類される。普遍的な視聴権が資本の論理によって損なわれたとの指摘が出るのは当然だ。グローバルOTTプラットフォームが莫大(ばくだい)な資金力を背景にスポーツ中継権市場に参入するほど、論戦は激しくなるだろう。

 OTTごとに提供するジャンルが異なるため、複数のチャンネルを契約して「ストリームインフレーション」(ストリーミング+インフレーション)という用語まで生まれた。低所得層や青少年にとっては、いろいろと負担になる。

 英国は五輪、W杯、ウィンブルドン決勝などの国民的関心が高いスポーツ行事を目録に指定し、無料で視聴できるように規定。ドイツも公営放送を中心に主要スポーツ行事の無料アクセス性を維持する。五輪・W杯など国家レベルのスポーツ競技は単なるイベント以上の社会的な意味を持つ。特定放送社の占有物でなく、国民の応援と選手たちの汗でつくられた社会的な公共財だ。国会が遅まきながら法改正に乗り出したので、見守りたい。

 (3月19日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

「セゲイルボ」

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