トップコラム学校の掃除は誰がする フランスから

学校の掃除は誰がする フランスから

日本のように学校の掃除を生徒にやらせてはどうかという議論が出ている。

 そもそもフランスでは教師は勉強を教える専門職で、授業以外の仕事はしない。掃除は業者に依頼し、部活動もないので、担任の教師が部活動に時間を割くこともない。

 特に掃除は絶対必要で、カンティーヌと呼ばれる食堂は、生徒が食べ物を床にこぼし、食べ物を投げる生徒もいてかなり汚れる。トイレも入ることをためらうほど汚い。

 ところが翌日になれば、完全に元の清潔な状態に戻っている。毎日、清掃員がきれいにしているからだ。

 生徒に掃除をさせることを提案する人たちは、教材、机や椅子を含め、使った後はきれいにする習慣が付くメリットを強調する。ただ、フランス語が苦手な移民系が多い清掃業者は、職を奪われると反発し、教師側も生徒の掃除を監督するのは業務外という意見が圧倒的に多い。

 自分の子供に掃除をさせたくないという親も多い。その分、勉強に集中させたいという意見もあって、実現は程遠い印象だ。

 そもそも生徒に掃除をさせる意見は、日本滞在経験のあるフランス人から持ち上がったという。

 日本は、植民地化され、どこかの国の奴隷になった経験が皆無(大航海時代にはポルトガル人が日本人を奴隷として売り買いした例はあるが)で、掃除=奴隷というイメージより、仏教のけがれを清める修行という認識が強い。日本での掃除による心の修養効果はどうなっているのかが気になる。(A)

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