トップコラムゆるキャラ恐るべし【上昇気流】

ゆるキャラ恐るべし【上昇気流】

彦根城の前でポーズを決めるひこにゃん=2008年、滋賀県彦根市(同市提供)
彦根城の前でポーズを決めるひこにゃん=2008年、滋賀県彦根市(同市提供)

 ゆるキャラブームの火付け役となった滋賀県彦根市の「ひこにゃん」が4月で誕生20年を迎える。今や全国各地の自治体にご当地キャラクターが生まれているが、日本の地方色の豊かさと「かわいい」文化の産物だ。

 「ひこにゃん」は、2007年に開かれた「国宝・彦根城築城400年祭」のPRキャラクターとして誕生。全国各地のご当地祭りなどに登場し人気が広がった。人気爆発の理由は、赤い冑(かぶと)を被(かぶ)った白猫の姿のかわいらしさ。ネーミングも良かった。

 11年の第1回ゆるキャラグランプリで王者となった熊本県の「くまモン」は、今や世界的に有名だ。これらご当地キャラクターは、地域おこしや観光宣伝に一役買うだけでなく、それ自体が観光資源、財産となる。

 「ひこにゃん」の関連グッズの販売額は24年に8億4000万円。「くまモン」の11年から21年までの売上高は1兆1341億円にも上っている。たかがゆるキャラなどと言ってはいけないのだ。

 ゆるキャラは、その地域の特長を表す。千葉県船橋市の「ふなっしー」は「梨の妖精」という設定だ。「ふなっしー」を通して、船橋が美味(おい)しい梨の産地であることを知った人も多いだろう。

 熊本は「くまモン」で不思議はないが、熊本にクマは生息していない。熊本は元は「隈本」だった。隈とは川の屈曲部や奥まった場所をいう。加藤清正が城を築いた時に「隈」を「熊」に変えたのだ。「くまモン」誕生には虎退治の清正が一役買っていたことになる。

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