トップコラム東京都の少子化対策に一言

東京都の少子化対策に一言

 少子化が一段と加速している。昨年の出生数(速報値)は70万5809人。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の2023年将来推計より17年早まった。

 全国で出生減が進む中、東京都は出生数が前年比1・3%増。9年ぶりに増加した。出生数の先行指標となる婚姻数は前年比4・8%増と2年連続の大幅増となった。

 2月26日、小池百合子都知事は「『チルドレンファースト』を政策の中心に据え、取り組んできたことで、今回、9年ぶりの出生数の増加という結果が表れた」とコメントした。保育料無償化、高校や都立大学の授業料無償化、妊娠時6万円、出産時10万円、1歳または2歳児に6万円支給等々。子育て支援・少子化対策関連に新年度は過去最高の2・2兆円を計上している。隣接県の子育て世帯から羨(うらや)む声が出るほど。

 ただ、晩婚化が進む東京都の平均初婚年齢は全国平均より1歳ほど高い。生涯未婚率も高い。直近の合計特殊出生率は0・96と全国最下位にある。チルドレンファーストで数値が改善するのか、甚だ疑問だ。

 最大の大学数、学生数を抱える東京都に期待したいことは非婚化・晩婚化対策である。作家の堺屋太一氏が00年代に「早婚社会への転換」を提唱したことがある。要するに学生が普通に結婚できる、学業と結婚・子育ての両立が可能な社会である。高学歴化は晩婚化を生む。高等教育学校等進学率は80%超。大学院なら学生期間はもっと長くなる。

 制度上は男女とも18歳から結婚できるが、現実は学生結婚や早婚を許容する社会になっていない。仕事と家庭の両立支援があるなら学業との両立支援もあってしかるべき。晩婚から早婚へ。結婚年齢が早まれば出生促進につながる。「全国の婚姻数増を牽引(けんいん)している」と豪語する東京都には大胆な政策の転換を求めたい。

(光)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »