トップコラム登山家・山野井妙子さんの生活【東風西風】

登山家・山野井妙子さんの生活【東風西風】

スイスの名峰_快晴のマッターホルン
スイスの名峰_快晴のマッターホルン

 世界的なアルペンクライマーの山野井妙子さんは、2020年から東伊豆の川奈に住んでいる。

 温暖な気候の中で野菜や果物を作り、質素な生活を続けている。

 この日常生活と登山活動は同じルールでつながっていて、『凪の人 山野井妙子』(山と渓谷社)の著者・柏澄子さんは、登山家の精神が日常生活をも形成していたことを伝えている。川奈に来る以前は奥多摩の栃寄で暮らしていた。

 夫の山野井泰史さんと一緒になって始めた仕事はイワタケ採り。イワタケは旅館などに卸していたというが、あまり売れなかったらしい。ところが売りに行った御岳山の宿坊でアルバイトに雇われることになる。仕事は週末や連休、年末年始が多かった。調理、配膳、部屋やトイレの掃除、接客など、宿坊のあらゆる仕事をこなした。

 観光客がその宿坊に行くにはJR御嶽駅からバスに乗り、滝本駅からケーブルカーに乗り継いで山頂駅に、そこから歩いて宿坊へ。しかし山野井さんは通勤にバスもケーブルカーも使わず歩いた。

 仕事が午前中で終わったときは、御岳山から大岳山、鋸山、御前山と縦走し、栃寄の登山口から歩いて帰宅。栃寄の登山口まで7時間半のコースだが、山野井さんはその半分の時間で歩いた。

 山の仲間たちは彼女の強さについて語るが、それを表現するのは難しいと柏さんは言う。しかしそれは日々の仕事にも現れていたのである。    (岳)

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