トップコラム「あの戦争」をどう見るか【上昇気流】

「あの戦争」をどう見るか【上昇気流】

 最近の歴史学は「歴史とは現在からの解釈」とする傾向が強い。「解釈だからそれぞれ」という相対的な見方だ。が、かつては、歴史が「必然性・方向性・主体・目的」を持つとの考えが主流だった。マルクス主義の影響が大きかったためだろう。

  「あの戦争」についての議論は今でも多い。辻田真佐憲著『「あの戦争」は何だったのか』(講談社現代新書/2025年刊)という本を読むと「歴史は解釈」という最近の動向をよく示している。著者は41歳。。「あの戦争」からははるかに遠い世代だが、それ故明確に戦争の実際が見えてくるのが興味深い。

 例えば「十五年戦争」という歴史観があった。満州事変(1931年)→日中戦争(日華事変/37年)→太平洋戦争(41年)→敗戦(45年)という直線的な図式が信じられていた。「日本は侵略路線を進んできた」という歴史観だ。

 が、戦争に限らず、歴史を見れば、さまざまな偶然が積み重なって、権力者もウロウロ迷いながらやってきたというのが真相だろう。

 桶狭間の戦い(1560年)にしても、織田信長が勝ったから歴史に残ったのであり、場合によれば「若者が急に攻撃してきたが、あっさり殺された」というだけの話だった可能性もあるはずだ。

 ところで、戦争には相手がある。。歴史的事実として「あの戦争」ははい戦だった。となれば、結果責任を問われるのは当然あり得ること。ただ、その問い方に問題があれば禍根を残すだろう。 

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