トップコラム台湾で中国のスパイ摘発【上昇気流】

台湾で中国のスパイ摘発【上昇気流】

 「ヴェノナ文書」が米政府によって公開されたのは1995年のこと。これは在米のソ連スパイによる、40年から44年までの本国との交信記録を解読した文書で、これを契機に近現代史の見直しが進められた。

 43年から80年にかけ、米国家安全保障局(NSA)が英国情報部と連携して解読。政府高官だったスパイの中には、太平洋戦争開戦前の対日交渉に関して最後通牒(つうちょう)のハル・ノートの原案作成に関与した人物らがいた。

 また彼らの活動によって、ソ連と中国共産党が戦後台頭したことも判明した。ところで現在の台湾でも、中国のスパイが多数摘発されていて深刻な問題となっている。

 元官房副長官補の兼原信克氏と前駐中国大使の垂秀夫氏との共著『中国共産党が語れない日中近現代史』(新潮新書)によると、昨春にもスパイ容疑事件が報じられ、総督府関係者、外交部長(外相)秘書官、民進党事務局や立法院事務局などの職員を摘発。

 現在も70件前後のスパイ関連裁判が進行中だという。垂氏は台湾有事に関して中国側の政策を三つに分けて論じている。第一が武力侵攻、第二が「平和統一」、第三がグレーゾーン作戦だ。

 第三では海上封鎖やサイバー攻撃などを想定するが、最も懸念されるのは「平和統一」。スパイ活動による内部からの統一だからだ。日本でもスパイ防止法制定を求める声が上がっている。だが、これを阻止する動きもある。阻止したいのはスパイ自身かその賛同者なのだろう。

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