
国力強化を掲げる高市早苗政権が、衆院選で歴史的大勝を収めた。英経済誌『エコノミスト』が高市首相を「世界で最も強力な女性」と表紙で特集するなど、世界が注目している。国民の支持に裏打ちされた保守政権の安定・長期化に、国際社会は東アジアでの日本の影響力の変化を特に注視している。
中国を巡る力学がどう変化するか、である。諸外国が対中政策に注目する中、高市政権はまず自民党内の媚中(びちゅう)議員らに留意せざるを得ない。対中外交は戦略的互恵関係を基礎とし、対話にオープンと強調する。だが実情は、対立の管理と経済相互依存の維持だ。
このフェーズで媚中議員らは、経済利権を根拠に対立の緩和を強調する。しかしそれは同時に、国民主権、尖閣諸島などの領土保持、安全保障全体をリスクに晒(さら)す。過度な経済優先は台湾有事や南シナ海での中国の拡張主義を黙認し、高市政権の「責任ある日本外交」を骨抜きにしかねない。
中国政府は高市首相に強い警戒心を示す。台湾有事を仮定した存立危機事態の答弁を内政干渉の口実として利用し、訪日渡航制限、輸出規制(レアアースなど)、アーティストの興行中止、自衛隊機へのレーダー照射などで圧力をかけてきた。
国民は総選挙でこうした中国の姿勢に反発し、高市政権の筋を通す対中姿勢に強い期待感を示した。国民の総意に反し、中国の目的に与(くみ)する媚中議員らの権力行使は、断固たる牽制(けんせい)が必要だ。
衆院選中、中国系の約400のアカウントがX(旧ツイッター)上で反高市工作を展開していた疑いが発覚した(日経報道)。他国に内政干渉を禁じる一方、自らは日本に選挙工作していた実態に、国民の反発は避けられまい。工作のキーワードは旧統一教会(世界平和統一家庭連合)だった。
安倍晋三元首相銃撃事件(2022年)以降、左派議員や弁護士、メディアによる世論形成で、非難の的となった旧統一教会。媚中とされる岸田文雄政権(当時)が、23年に宗教法人の解散命令を請求した。憲法が保証する信徒個々人の参政権を侵すリスクにも踏み込み、自民党が関係断絶を宣言した。解散請求は25年の東京地裁の決定を経て、高裁の判断を控える。
一方、中国共産党と密接な「中国反邪教協会」は1997年以来、反共理念を持つ旧統一教会を「邪教」と認定。地裁決定を「歴史的」と称賛した。旧統一教会関連の国際勝共連合は長年スパイ防止法制定を訴えてきた。中国系スパイ活動が世界各国で摘発される中、解散は中国の利害に一致するのだ。
旧統一教会の解散請求は、社会正義の名を借りた媚中路線の産物ではないか。反共活動が中国の拡張主義に対し、一定の抑止力となっていた側面を無視し、信教の自由を侵害した上、国家安全保障上、スパイ活動リスクを高めた。高市政権はこれを教訓とすべきだ。
高市政権は、対中政策に臨んでまず党内の媚中勢力を封じよ。国民の信任を背景に、党内の正常化と国家主権の防衛を徹底すれば、「インド太平洋の輝く灯台」への道が開かれよう。媚中勢力の暗躍を許せば、歴史は高市政権を「失われた機会」と評するだろう。
(駿馬)






