トップコラムマンションの管理組合【上昇気流】

マンションの管理組合【上昇気流】

 昭和の終わりにマンションの管理組合の理事長を1年間やったことがある。抽選で選ばれたので意気込みも何もない。「1年が過ぎればいい」の感覚だった。総会で正式に理事長に選出されて、質疑に臨んだ。ありきたりの質問に事務的に答えた後、あるお年寄りが質問した。が、専門用語の羅列なので全く分からない。数分前に選出された数人の理事たちも同様だ。

 そこで議長役の気流子が「後で対応しますので、管理組合の事務所に来てください」と回答した。総会は無事終了し、理事一同、事務所で早速仕事を始めたが、お年寄りはやって来ない。理事たちに聞いてみたところ、結構面倒な人だったようだ。

 その後一人になった時に「あの質問は何だったんだろう?」と考えて「何かの自己表現をしたかったのだろう」という結論になった。その種の人間はたまにいる。要は注目を浴びたかったのだろう▼そんな意味不明の質問に耐えるのも、理事会の役目の一つだ。気流子はそれまで、この種の人間に出会ったことがあまりなかった。

 当時は電話で連絡を取っていたので理事長宛てによく電話がかかってきた。理事らは担当分野が決まっている。理事長が対応しなければならないこと以外は、各理事の電話番号を教えればいい。面倒ということもない。

 振り返ってみれば、理事長を務めた後の総会には一度も参加したことがない。理由ははっきりしている。「理事会一同、みんなキッチリやっている」からだ。

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