トップコラム海水温上昇がもたらす災害【上昇気流】

海水温上昇がもたらす災害【上昇気流】

 カキの旬もそろそろ終わるが、この冬はあまり食べることがなかった。スーパーでは例年よりも高めで数も少なかった。広島県、宮城県など主要な産地での養殖カキ大量死が影響した。

 全国一の水揚げ量を誇る広島県では9割近くが死滅した海域もある。全国2位の宮城県でも海域によっては7割近く死んでいるという。宮城県ではここ数年、大量死滅が続いている。

 瀬戸内海では高水温や少雨による塩分濃度の上昇が原因だ。宮城県でも海水温の上昇でカキが過剰に放卵し、体力を消耗したためだとみられている。

 海水温上昇は海。の生態系にもろに影響する。サンマの不漁が続いているのもそれが原因だ。地球温暖化で海水温は世界的に上昇しているが、日本近海ではこの10。0年で1・33度のペースで上がっている。これは世界平均の約2倍だ。この冬の日本海側の大雪も日本海の海水温上昇が影響している。

 気象庁が発表した日本海の海水温のグラフを見ると、右肩上がりに変化していることがはっきりと分かる。その解説によると、日本海中部では冬季の上昇率が100年で2・64度にもなっている。

 わが国はモンスーン地帯の海洋国家として、地球温暖化に対しもっと危機感を強める必要がある。カキの死滅対策として、放卵回数の少ないカキの養殖や、水温の低い深さでの養殖の検討が進められている。環境変化への適合は当然だろうが、海水温上昇を少しでも抑える努力を忘れてはならないだろう。

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