トップコラム権力と人間関係【上昇気流】

権力と人間関係【上昇気流】

 だいぶ前に読んだ本の中に「人々が独裁者を恐れるのは、彼が権力を持っているからではなく、権力行使の基準が予測できないからだ」というのがあった。周囲の人々は権力者の顔色をうかがう必要がある。

 だがそれも、相手が権力者だから怖いので、権力行使の基準以前に、権力者の存在そのものが恐怖だとも言える。

 権力者が大衆を恐れるケースも歴史上はたくさんあったはずだ。そんな様子を記録したものを読んだことがある。民主主義国家には選挙という制度があるから、大衆が権力者の動向をある程度は知ることができる。権力者の側も、世論調査などで大衆の様子を知ることは可能だ。

 が、ことは権力者や独裁者に限らない。親子、夫婦、学校、会社。人間関係は権力と権力の衝突だと言えなくもない。赤ちゃんが泣くのも、親にとっては厄介な権力行使と捉えることもできる。電車内で泣かれれば他の乗客も時にうっとうしい。

 人間関係一般が小権力者同士の争いの局面を持つ。他人と同じ場所にいれば、相手が何を考えているのか分かる場合も、分からない場合もある。自分は相手を分かっているつもりだったのに、相手には全く通じていなかったことは、人生何十年の間には何度もあるだろう。

 イヤな奴(やつ)と思っていた相手が、それほどでもなかったケースもある。あれこれ揺れ動くのが人間だ。人生、楽しくもあり、楽しくないこともあり。その割合は「五分五分」ぐらいが程よいところか。

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