
現代人にとって春の花と言えば「桜」。人生の節目によく登場する。「入学」「進学」「入社」と門出の花でもある。
実は、桜より梅の方が人気があった時代がある。
現代のように花見をする習慣は奈良時代(710~794年)からあったとされる。中国からやってきた梅を愛(め)でながら、貴族たちは歌を詠む会を開き歌を詠んでいた。これが花見の原型と言われる。
『万葉集』には春を代表する題材として梅の歌が110首納められ、桜は43首。
いつ頃から、「桜」になったのか。
平安時代前期に集められた歌集『古今和歌集』が905年に奏上された。その中には、梅18首ほどに対して桜70首と逆転した。
日本初の正式な花見は812年に嵯峨天皇が神泉苑で「花宴の節(せち)」を催したことが「日本後記」に記され、この時に梅から桜になったという。実はそうしたのは、嵯峨天皇が無類の桜好きだったことが要因となったという。
831年からは、花見自体が天皇主催の定例行事になり、『源氏物語』の中にも登場する。
花見=「桜」の認識はこの頃から広まった。ちなみに桜には俗説として、神聖な木としてあがめられ「サ」は田の神様、「クラ」は神様の座る場所を意味し、桜が咲くことは、「神様が山から下りてきた証」と庶民の間では、みんなで集まりお酒や食べ物を振る舞ったという。
梅と桜、日本の文化にとって欠かせない花と言える。(s)






