トップコラム海洋資源大国への第一歩【上昇気流】

海洋資源大国への第一歩【上昇気流】

海底で集めたレアアース(希土類)の粉=2013年10月、神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構
海底で集めたレアアース(希土類)の粉=2013年10月、神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構

 海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が、南鳥島(東京都)沖でのレアアース(希土類)泥の試掘に成功した。

 所管する松本洋平文部科学相がX(旧ツイッター)に投稿。きょうにも詳細が発表される。日本は海洋資源大国への第一歩を記した。

 2013年に東京大学の研究者らが、東京から約1900キロの南鳥島沖でその存在を発見。埋蔵量は少なくとも1600万トンという。問題は水深約5700メートルの深海底であること。そのために深海底の泥を破砕し回収する機器の開発が進められてきた。

 これまで石油や天然ガスなど海底資源の開発は水深3000メートルまでが限度だったが、日本の技術力をもってすれば必ず可能になると思っていた。商業ベースに乗せるまでには幾つも課題があるだろう。一つ一つ乗り越えて日本産レアアースの安定供給体制を実現してほしい。

 南鳥島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)には、24年に日本財団と東京大学が行った精密調査によって、レアアースだけでなく、希少金属を多く含むマンガン団塊やコバルトリッチクラストも広範囲に分布していることが確認されている。資源量は推計2.5億トン、コバルトの国内消費量の75年分に相当する。

 今回の試掘は、内閣府の大型研究プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の一環として行われた。EEZの広さでは世界第6位の日本が、海洋資源大国となるのは自然な成り行きと言っていい。

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