先週土曜日(1月31日)夕、買い物帰りに見上げた空には円い月が浮かんでいた。旧暦では12月13日。完全な満月ではないが、近くに木星を従えて、暗くなった空を煌々(こうこう)と照らしていた。街路灯を見たこともない数世代前までの人々にとって、月は今よりもっと身近な存在だったに違いない。
日本も明治6(1873)年に太陽暦が導入されるまで、月の満ち欠けを基にした太陰暦に太陽の動きを合わせた太陰太陽暦を使っていた。一年は基本12カ月だが、「大の月」が30日、「小の月」が29日なので1太陽年(約365・24日)より約11日少なくなる。そのため2年半ぐらいに1度、閏月(うるうづき)を設けて調整していた。
例えば旧暦では昨年、6月の次に閏6月があった(即ち6月が2回もあった)。こうした事情から、旧暦は季節の移ろいを表す基準としては適切でない。そこで、旧暦カレンダーと並行して使われたのが、太陽の動きを基に定められた二十四節気だ。
中国の戦国時代につくられ、日本では6世紀ごろから使われているそうだが、季節感とよく合っており、現在でも農作業などの目安として使われている。今年は2月4日が春の訪れを示す立春だ。旧暦ではまだ12月17日なので「年内立春」と呼ばれる。
先月21日からの今季最強・最長寒波の後、少し寒さが緩んだと思ったらまたもや強い寒気に覆われて迎えた2月だが、天気予報では、立春の4日からは南から暖かい空気が流れ込んで寒さが和らぎ、6日には東京の最高気温が14度になるという。
二十四節気では、先月20日の大寒から3日の節分までが1年で最も寒い季節とされる。地球温暖化による気候変動が叫ばれて久しいが、予報通りなら、千数百年も前からの季節区分がぴったり当てはまる。先人たちの知恵には感服せざるを得ない。
(武)






