水戸市で昨年末に起きたようなストーカー殺人事件がなくならない。水戸の事件では元交際相手が逮捕されたが、とかくストーカーが絡んだ事件はやっかいだ。警察に被害届を提出した被害者が、被害届を取り下げることもある。その時の警察の立場は微妙だ。
警察としては「よかった、解決した。捜査も必要なくなった」と判断するケースもあるだろう。逆に「なぜ被害届を取り下げたのだろう? 何か事情があったのでは?」と考えるケースもあるはずだ。「よかった」と警察が判断したところ、とんでもない事情が隠れていて殺人事件に発展した場合は最悪だ。
現場の捜査員だけではなく、捜査幹部の判断も重要だ。警察組織はテレビドラマではないから、スーパーマンのような現場の刑事がたちどころに事件を解決して終わりなどという場面はあり得ない。
ストーカー案件について「痴話ゲンカにすぎない」という判断が下されることもある。学校のイジメで、加害者が被害者に謝罪しても、本当に謝罪したのではなく、謝罪を演じただけで、その後、被害者にとって悲惨な状況になってしまうことがあるのと同様だ。
警察も忙しいから、被害届取り下げとなれば、人員を他の事件に振り向けることも可能だ。そうした対応は、あらゆる組織で普通に行われている。
ストーカー事件は人間の機微そのものに関わるだけに、解決は簡単ではなさそうだ。警察だけでなく、社会全体の重い課題だ。






