トップコラムネット民、山上被告を英雄視 中国から

ネット民、山上被告を英雄視 中国から

 安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也被告に無期懲役の判決が下されたニュースは中国でも大きく報じられた。中でも、国営新華社通信のニュースサイトのコメント欄は、「英雄に敬礼」を意味する「致敬英雄」という書き込み一色となった。

 中国にはネット世論を誘導する「網軍(サイバー軍)」と呼ばれる当局の機関や、若い世代の民族至上主義者で日本・米国・台湾などを批判する「小粉紅」と呼ばれる人たちがいる。コメント欄への書き込みはこうした人たちが中心になっていると推測されるものの、見ていて気分の良いものではない。

 中国側からすれば、安倍氏は反中国包囲網を国際的に形成しただけに、被告に同情的なのだろう。それでも、殺人犯に「敬礼」するなど、開いた口がふさがらない。一国の指導者を襲撃した他国の殺人犯を褒めたたえ、それを集団で書き込むことに恥を感じないのか。中国が誇る「長い歴史が培った文化」には道徳的概念も含まれるはずだ。

 今年に入って習近平国家主席の風刺画を公開したフィリピンと中国が非難合戦を繰り広げている。中国当局は「指導者を攻撃、中傷した」「代償を支払うことになる」などと警告している。中国は過去に、虫に見立てた台湾の頼清徳総統を箸でつまんで炎であぶるアニメを公開しているが、自国の行動は顧みないのか。

 毛沢東が引き起こした中国文化大革命での文化破壊が改めて残念でならない。迫害された知識人たちが生き残っていれば、国際的にこのようなダブルスタンダードを取る国にはなっていなかったかもしれない。(M)

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