トップコラム阪神大震災から31年【上昇気流】

阪神大震災から31年【上昇気流】

阪神大震災の追悼の集いで、犠牲者数と同じ6434本のろうそくを囲む人たち=16日午後、兵庫県伊丹市の昆陽池公園

 17日で31年となった阪神大震災。本紙19日付に、震災をきっかけにインターネットラジオ局を発足させ、多言語で震災の教訓を伝える活動を続ける神戸市長田区の住民の話が載った。ラジオ放送にとどまらず現在、自治体と連携した地域住民との共生事業を起こしている。

 当時、大災害に備えた施設の整備が十分でなく、震災では火災が多く発生し被害を拡大させた。長田区では復興過程で住民らと商店街の意見が合わず街づくりが何度か挫折したが、草の根の防災活動も進んだ。思いもしない大地震が突如としてやって来て、ひどく慌てたという痛烈な体験がいろいろな形で生きている。

 一方、首都直下型地震の近い将来の発生が予想される東京地方では、関東大震災から100年間、大地震がない。2011年の東日本大震災では都心に帰宅困難者が多く出た。こうした混乱を防ぐ対策が求められよう。

 東京では官民共に地震に対する防災意識は高いとみられ、耐震、耐火基準を満たす建造物の割合も増えている。災害時に備えた食品ストックについての啓発も盛ん。避難場所、経路を示したハザードマップも都民に行き渡っている

 しかし、災害被害の大きさは文明の規模に比例するという。街には高層建築が軒を並べ、大地震が生じれば大学などの実験室にある危険物が棚から落ちて自然発火する可能性もある。

“まさかの時に対処する能力”は鍛えられているか――そんなことを考えさせられる。

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