
知り合いの息子さんが、やっと医者になれたと喜んでいたのに「覚えたり、習得したりすべき新しい知識や技術がどんどん出てきて忙し過ぎる」とため息をついているという。
病院側は優秀な医師を集めたいし、患者に医療技術をアピールするため、最新の診察・手術用の機器を導入しているところが少なくない。患者も人づてに聞いて、そういった医療機関に足を運んでくる。医学・医療の発展は日進月歩だ。
ところが厚生労働省の調査によると、2024年度は全国の病院の約7割が赤字で、病院経営が危機的な状況になっており、その割合は増加している。人件費の高騰、最新鋭の設備投資の負担、患者数の減少などが理由。
また診療や手術など医療サービスに対して政府が決める診療報酬は2年に一度の見直しなので、急激な物価上昇に追い付かないことも病院経営に影響を与えているという。
医療費の問題は1980年代まではほとんど世間の話題に上ることはなかった。その後、高齢化が進んだことで規模が膨れ上がり、医療費を含む社会保障費全体の問題をひどく難しくさせている。
医療や福祉などの分野は公的な保障をしっかりとしながらも、健全な競争原理を働かせて劣悪な現場を排除し、その経営状態を改善させたい。医師は、数値化された検査データだけとにらめっこするのではなく、患者一人一人と正面から向き合う診察を行い、不必要な投薬はなくしていくことだ。






