
昔は数え年だから年が改まると一つ年齢を重ねる。「四十、五十は洟(はな)垂れ小僧。六十、七十は働き盛り。九十になって迎えが来たら百まで待てと追い返せ」。有名な明治の実業家、渋沢栄一の名言である。
今や日本人の平均寿命は男性で81.09歳、女性で87.13歳とそれぞれ世界6位と1位だ(2024年厚生労働省調べ)。「昭和100年」というが、将来平均寿命が100歳という時代が来てもおかしくない。
先の話の続きではないが、渋沢だったら何と言うだろう。「百でまた迎えが来たら、逝く時は言うからお引き取り願え」と喝破するだろうか。
一応、65歳から「高齢者」に当たるようだ。とはいえ、今や70歳を超えても「まだ若い」と言われるのがオチ。70代前半の知人が敬老の日が来ても「“高齢者の意識”がなくて、気持ちは今も青春なんだけどね」と苦笑いを浮かべていた。
身近では60代、70代でもジョギングをはじめサッカー、ラグビーなど、結構負荷の高いスポーツに励む姿を見る。昨年だったか、「オーバー80(歳)」のサッカークラブをテレビで紹介していたが、80歳の人が「チームでは若手です」と控えめに話していたのには思わず笑った。
気持ちは若い方がいいのは確かだ。その意味では“軽老”といった感覚で過ごすのはどうだろう。お年寄りを「軽く」扱うということでは、もちろんない。老いを軽やかな気持ちで受け流していくような日々が過ごせれば理想だが。






