トップコラム企業文化の衰退を懸念【上昇気流】

企業文化の衰退を懸念【上昇気流】

 社会人野球の名門・パナソニック野球部が、2026年度シーズンをもって休部することが決定された。関西地区を代表する社会人野球チームで、出身者の中ではプロ野球で活躍した盗塁王の福本豊、剛速球投手・山口高志両氏(共に元阪急)の名がすぐ浮かぶ。

 パナソニック野球部は松下電器野球部として1950年に創部された。チームの活躍を通じて企業イメージの向上や従業員とその家族の一体感の醸成を図るため、常にトップレベルの競技力を目指して活動。いわゆる「企業文化」の社会への発信力を懸命に強めてきた。

 しかし、当のパナソニックホールディングスは昨年5月に発表した「構造改革」の一環で、国内外1万人規模の人員削減を進めており、この中で野球部の活動も見直しの対象となった。会社側は、野球部の成績が近年振るわなかったことも休部の理由としている 。

企業文化の発信活動は70年代から全国的に広がり、その内容は芸術文化を支援し、社会的存在としての企業の自覚を内外に向けてアピールする「メセナ」にもつながっていった。社会と企業、企業と家庭(家族)の連携や絆も強固になった。

 しかし2000年を過ぎ、多くの企業の業績が悪化するようになると、まず企業スポーツが廃止される事態が相次いだ。パナソニックは13年に強豪だったバスケットボール部も休部に。

 「今日、多くの企業の顔が見えなくなった」と言われるのは、故ないことではない。

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