高市早苗首相の「台湾有事」発言に反発する中国が、軍民両用品の輸出規制の強化、さらに半導体製造に利用される日本産化合物の反ダンピング(不当廉売)調査をするという。
規制対象にハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)が含まれるかはっきりしないが、過度に動揺すべきではない。2010年に沖縄県・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の際、中国は対日レアアース輸出制限の圧力をかけてきた。これが契機となって、レアアースの対中依存度は輸入量の9割から6割にまで減っている。
今月には、南鳥島(みなみとりしま=東京都小笠原村)周辺海域でレアアースの試掘が始まる。首相は昨年11月、この開発を米国と共同で進める方針を発表。10月には、訪日したトランプ米大統領とレアアース分野での協力文書に署名した。
南鳥島周辺海底に埋蔵量1600万㌧とみられるレアアースが眠っていることが発見されてから10年。その間、6000㍍の海底から泥を吸い上げる技術を開発してきた。試掘は内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として行われるが、採算が取れるようになれば対中依存からの完全脱却も可能となる。
もちろん中国も注視している。昨年6月には、周辺海域で空母「遼寧」を航行させた。威嚇とも取れる行動だ。開発と共に海域の安全の確保に万全を期す必要がある。
そういう面でも首相が開発に米国を誘い、協力を決断したのは正解だ。






