
先日、ソウル近郊にある大庄洞(デジャンドン)(京畿道城南市)に初めて足を運んだ。ここは李在明大統領が市長時代に官民共同で開発した大型マンション団地で、李氏は神話で朝鮮始祖とされる人物「檀君」以来の公益事業だと誇っていた。だが、一説によれば数千億円に達するという巨額利益を関わった民間企業に不当に流入させ、分け前として不正を企てた李氏と共犯者たちが懐に入れるつもりではないかという「檀君以来の不正」疑惑の舞台だと揶揄(やゆ)されている。
日曜日の朝、地下鉄の最寄り駅から路線バスで15分ほど行くと、周囲を山に囲まれた閑静なマンション団地「大庄洞」が現れた。施工社ごとにブロック状に点在する高層マンションの中央には小川が流れ、散策コースもあった。幼稚園から中学校まであり、飲食店やスーパー、クリニック、塾などが立ち並び、ここで生活が完結できる、ちょっとした都市だ。先駆けて開発された新都市「盆唐・板橋」の一角として、不動産価格の高騰にも期待が寄せられているエリアだ。
ただ、すぐそばを地下鉄が通っていないのが「玉に瑕(きず)」(住民)だという。平日は周辺道路が大渋滞し、ここに学校がない高校生や車などの足がない会社員は、バスを30分待ちすることもざらにあるそうで、通勤・通学に苦労している。会社員の40代男性は「もし疑惑が真実なら、巨額の資金をここの交通インフラ整備に回せるのに」と恨み節を漏らしていた。汚名返上できる日はいつ来るのだろうか――。一見、平穏な暮らしが広がっているだけに、そう思わずにはいられなかった。(U)






