トップコラム以前ほど見ない言葉【上昇気流】

以前ほど見ない言葉【上昇気流】

 昔の歌に接すると、令和の今にはあまりなじみのない表現が見つかる。例えば「清々(すがすが)しい」。辞書を見ると「さわやか」「ためらいがない」などと書かれている。確かにその通りの意味なのだが、この単語を実際に使う人に最近出会ったことはない。

 「潔(いさぎよ)い」も似たようなもの。辞書では「すがすがしい」とか「未練がない」とか書かれている。この言葉も使うことも聞くことも最近は減っている。「健(すこ)やか」は、辞書では「健康」となっている。世界有数の長寿国である日本では、健康増進の取り組みが続いているが、「健やか」という単語はあまり目にしなくなった。

 「若き血潮」も以前ほど見ない。辞書は「激しい感情」などとしているが、「血潮」という言葉には生々しいイメージもある。「誉(ほま)れ」という単語もある。「名誉」などと辞書には書かれているが、今では「誉れ」よりも「名誉」を使う方が多い。

 そう言えば「通り魔」などという言葉も、20年ぐらい前まではよく使われた。が、今はそれほど見ない。凶悪な犯罪が多くなったため、「通り魔」程度では凶悪さを表現し切れなくなったのだろう。

 いずれも、古語とまではいかないが、言葉として知っていたとしても、実際に使われることは少なくなった。

 言葉は生き物だから「昔の言葉」も場合によっては復活することは考えられる。その場合、本来の意味でというよりは、違った意味を含んだ形で復活することになるだろう。それはそれで面白い。

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