
政府観光局が発表した1~11月の訪日外国人数は、3906万人となり、年間初の4000万人突破が確実な情勢だ。ただ、中国政府の訪日自粛呼び掛けの影響で中国人は伸び率が急速に鈍化している。当面この状況は続くだろうが、あまり一喜一憂すべきではない。
事実と異なる治安の悪化などを中国政府は理由に挙げ、国営メディアでは日本の事故や災害の報道が増えているという。普段は政治・経済、大規模な災害が中心だが、人的被害のない山林火災まで報じている。
ご苦労なことだ。これは日本旅行人気が根強くあることの証しかもしれない。日本に行かなくなった中国人観光客はタイや韓国に流れているという。
京都や大阪では中国人客の姿がめっきり減って、静かな日常が少し返ってきたと歓迎する声もある。オーバーツーリズムの解消という点から言えば、ネガティブにばかり捉える必要はないだろう。最近増えている東南アジア、欧州、そして中東などの市場開拓をさらに進めるための弾みにも。
中国は水産物の禁輸も実質再開したが、かつての2年近い禁輸期間には、ホタテなどの販路を米国やベトナムに拡大することで挽回することができた。輸出先や輸入元を一つの国に頼るのは、リスク管理の面で得策でない。中国のような独裁国家で政治的にも先行き不透明な国はなおさらだ。
ショッピング目当ての中国人客への依存が減れば、モノ消費からコト消費への流れも強まるだろう。






