タラが美味(おい)しい季節になった。NHKEテレ「ギョギョッとサカナ★スター」で「巨大マダラを大調査! 能登応援SP」が放送された。日本人にも馴染(なじ)みの深い割にはあまり知られていないその生態など興味深かった。
タラは大食漢と言われるが、水族館でタラが水面上に口を開け、サバの切り身をパクつくのには驚いた。身だけでなく、エラを含む内臓や白子など余すところなく食す、能登独特のタラ鍋もおいしそうだった。
欧州でもタラはよく食される。英国のファストフード、フィッシュ・アンド・チップスは、タラなど白身魚をフライにする。米国に渡ったピルグリム・ファーザーズが移住先としてプリマスを選んだのは、タラが豊富に取れたためという。
タラは世界の歴史上重要な役割を果たしている。200カイリの排他的経済水域(EEZ)が定着するのは、1958年から76年まで3次にわたってアイスランドと英国の間で戦われた「タラ戦争」がきっかけだった。
アイスランドが一方的に領海や漁業専管水域を拡大。反発した英国の海軍とアイスランドの沿岸警備隊が砲撃を交えたり、体当たりしたりするなど激しく衝突した。この海域の主な漁業資源がタラだったため、「Cold War(冷戦)」をもじって「Cod War(タラ戦争)」と呼ばれた。
紛争はアイスランドの主張が概(おおむ)ね認められる形で終結した。小国の必死の主張が国際ルールの定着に寄与した珍しい例と言える。






