トップコラムレッドラインを示した日本【羅針盤】

レッドラインを示した日本【羅針盤】

トランプ米大統領(左)を出迎え、握手を交わす高市早苗首相=28日午前、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)
トランプ米大統領(左)を出迎え、握手を交わす高市早苗首相=28日午前、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)

 高市早苗首相の台湾問題に関する国会答弁を機に中国の日本への嫌がらせがエスカレートしている。中国人の訪日自粛通達、水産品輸入再開手続きの中止、日本映画や日本人文化イベントの中止、日中間航空機の減便等、とどまるところを知らない。

 戦狼外交は過激化する一方だ。中国は高市首相の発言撤回を執拗に迫るが、種々の圧力は日本世論には明らかに逆効果だ。高市内閣は高支持率を維持し、嘘八百を並べ対日恫喝(どうかつ)、罵詈雑言(ばりぞうごん)、威嚇を繰り返す中国への嫌悪観は高まる。

 こうした状況で注目されたのは11月24日のトランプ米大統領と習近平中国国家主席の電話会談と、その数時間後、トランプ大統領から高市首相にかかった電話での日米会談だ。両会談の詳細は明らかではないが、日米首脳周辺からその後漏れ聞く諸情報全般を俯瞰すれば、日米指導者の信頼関係に揺るぎは無いと見て良いだろう。

 従来は中国の威圧に日本が屈するのが常だった。日本の外交は、同盟国米国への連帯と独裁異形国家中国への忖度のバランスの中で行われてきた。今回の高市発言で、初めて、日本は独自に中国に対しレッドラインを示したと言える。即ち台湾海峡で中国が戦艦出動等の戦争行為を行えば、それは日本にとって存立危機事態となり得る。

 従って、中国はそのラインを越えてはならないという日本側の見解を明示した。トランプ大統領が習近平主席との交渉のために「台湾問題」にあえて触れていない状況で、高市首相は日中首脳会談でも、国会答弁でも明確に台湾問題に関する日本の立場を示した。

 習近平主席は10年に及ぶ軍制改革、反腐敗、経済政策の全てにおいて失敗し、経済は低迷、軍や官僚は動揺、萎縮して国内は収拾不可能な状態のようだ。国内事情に悪影響を与えない範囲の反日行為を反復するのが精一杯だ。日中経済交流を止めれば自傷行為でオウンゴールになる。いずれは振り上げた手をそっと降ろさざるを得ないだろう。

 最近の世論調査では、高市政権の防衛費増額を急ぐ方針について、「賛成」は62・8%で「反対」の32・2%を大きく上回った。年代別の賛成割合は、18~29歳では83・2%、30代で75・5%、40代、50代、60代も6割台だ。反対が賛成を上回るのは70歳以上だけだ。

 戦後80年にして、ようやく自虐史観、軍事絶対悪論に自縛されない世代が育っている。米国の庇護(ひご)がなくても、我が国への侵略を労功不償により独力で抑止できる防衛力を着々と整備すれば良い。自虐や媚中(びちゅう)配慮はもはや不要だ。

(遊楽人)

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