
バンコク拘置所の前所長と刑務官14人が、左遷された。大勢が一挙に異動となるのは、組織運営に支障が出ることから通常、行われることがない。理由は拘置所で中国人未決囚への特別待遇が発覚したことだ。
発端は、タイ人未決囚からの内部通報だった。拘置中の中国人が長期間にわたって、リゾート生活のようなVIP待遇を得ていたというのだ。
矯正局が直ちに抜き打ち査察を実行したことで、その内実が明らかになった。
作業所が中国人専用の住居に改造され、エアコンや冷蔵庫、高価な家電までが備えられたコンドミニアムのような快適な生活空間となっていた。
通常、拘置所では狭くて暑く蚊が飛び交うような極悪な生活空間を強いられるものだが、彼らだけは快適でゆったりとしたスペースが確保されていた。さらに多額の報酬を支払うことで、タイ人未決囚らを使用人としてあごで使い、こまごまとした身の回りの世話をさせてもいたし、塀の外への料理注文もOKだったとされる。
また、査察では拘置所の階段下に作られた「秘密部屋」で、中国人らと外部女性との密会が行われていたとされる。その中には、わざわざ中国から航空機を使って呼び寄せられた美人モデルもいたとされ、刑務官らが札束でほおをなでられるような驚くべき実態が浮き彫りになった。
厳正な法の執行官であるはずの刑務官がカネで買われる。何でもはびこる熱帯性土壌の風土は、時に魂までも腐らせる。(T)






