
「ロシア初」と銘打ったAI(人工知能)搭載のヒト型ロボットがモスクワでお披露目されるや否や、数秒後に転倒する珍事があったと時事通信が伝えている(小紙11月18日付)。覚束(おぼつか)ない足取りで登場し、立ち止まって右手を振った際に体勢を崩し、ステージ上に顔面から落ちたという。2本足でバランスを取る歩行の難しさだ。
一方、中国では今春、ロボットのマラソン大会があり気勢を上げた。完走したロボットもあったが、障害の少ないフラットな道路での二足走行の難易度は高くない。
1973年、世界初のヒト型二足歩行ロボットを完成させたのは日本。その後、2000年にそれを応用したホンダのASIMO(アシモ)が生まれた。
その折「人間と共生できるのはいつか」と担当者に問うと「家庭生活の中で不慮の事故なく人間と共存するロボットの流通時期は未定」と話した。結局実用化されることなく、アシモも“引退”した。
片や二足歩行ロボット後発の中国は、それぞれの技術段階での実用化を目指し、世界に向け市場を広げていく作戦。車の自動運転でも、国内50以上の都市で試験運用を可能にするなど、政府の後ろ盾で技術革新を進めている。
ロシアの一般公開の顛末(てんまつ)は、AI搭載二足歩行ロボットの開発を巡る世界的競争の激化を示す好例だ。今、二足歩行を発展させた「ヒューマノイド」というロボットがヒト型の最新モデル。その開発で日本が世界の主導権を取ってほしい。






