シンガー・ソングライターの松任谷由実さんは1972年、実名の荒井由実でデビュー。数々のヒットソングを世に送り出し“ユーミンブーム”を生み出した。その人気絶頂の76年、音楽プロデューサーの松任谷正隆さんと結婚、芸名も松任谷由実になったのはよく知られている。
結婚後、1年半余り活動を休止し、旧姓を捨てたことが影響したのか、活動を再開してから人気は下火となった。しかし81年の「守ってあげたい」がヒットし、80年代の第2次ユーミンブームが到来。90年代には第3次ブームが到来する。
その松任谷さんが最近TBS系のテレビ番組で結婚と改姓の頃を振り返った。ブランド力のある名前を捨てたことを「バカじゃない?」と言われたこともあったが、本人は「絶対に荒井由実を超えてやると思っていた」という。
その言葉通り、松任谷さんは新境地を切り開き、今も精力的に活動を続けている。古い芸名を捨て過去の成功に安住しないという覚悟がさらにモチベーションを高めたのではないか。
松任谷さんは特別な才能に恵まれた人だが、同じように結婚・改姓で新境地を開いた女性は少なくないだろう。
選択的夫婦別姓の導入を提言する経団連は「夫婦同氏」を女性活躍を阻害する社会制度と決め付けているが、底の浅い見解だ。自民党と日本維新の会は、旧姓の通称使用を法制化する方向で調整を始めた。選択的夫婦別姓よりはまだましだが、拙速に導入する必要はない。






