
沖縄に赴任する前日、不穏なニュースが記者の目に飛び込んできた。「沖縄で水道管破裂、37万世帯が断水見込み」といった内容の見出しだ。断水の影響を受け、那覇空港は全ての飲食店舗で営業を停止した。翌日に那覇空港を利用予定だった筆者は不安に襲われた。
11月24日、本島北部の大宜味村にあるダムから浄水場へ水を送る導水管が破裂したのが原因。県は、那覇市や沖縄市など中南部の17市町村で断水が発生する恐れがあると発表し、実際に7市町が断水した。幸い1日で断水が解消されたが、住民や観光客は不便を強いられた。
沖縄本島には古い水道管が多く、管の更新は待ったなしの状態だ。人口の多い中南部は、主に北部からの送水に頼っている。今回漏水したのも1967年に設置された水道管だった。58年前の物で、法定耐久年数の40年をはるかに超える。速やかに対策を講じなければ、今後も断水のリスクはなくならない。
ただ、更新には莫大(ばくだい)な費用と工期が必要であり、財源の確保が厳しく、沖縄だけの問題ではない。埼玉県など、水道料金を引き上げたケースもある。玉城デニー知事は会見で「県としてより一層、水道管の更新を加速させる」と表明したが、具体的な方針が示されない限り、県民の不安は払拭できないのが現実だ。
沖縄の水問題はほかにもある。沖縄は全国平均より降水量が多いが、雨の降る期間は梅雨や台風の時期に集中している。加えて大きな河川のない本島は、水を安定的に貯(た)めるのが難しいのだ。雨の少ない年には節水が呼び掛けられることも多い。
東京で水不足をあまり体験してこなかった筆者は、節水という意識が身に付いていない。シャワーや歯磨きで水の流しっ放しを止めるだけでも効果はある。もしもの時に備えて、日頃から節水に気を付けたい。(A)





