
イスラエルで「人質」の象徴となっていた家族の慰霊碑「ビバスの足跡」が南部ネゲブのキブツ(集団農場)ツェエリムに建てられた。12月初旬に一般公開される。
キブツ・ニルオズに住んでいたヤルデン・ビバスさんは、2023年10月7日にテロ組織による襲撃を受けた。自動小銃で武装した襲撃者の多さから自宅での銃撃戦を避け、妻子を安全なシェルターに残し、襲撃者の注意をそらすため外に飛び出した。その後、家族とは別々に拘束された。
当時SNS上に、32歳だった妻のシリさんが生後9カ月のクフィール君と4歳のアリエル君を抱きかかえ、武装勢力に囲まれおびえながら拉致される様子の動画が拡散された。イスラエルではテロ攻撃の恐怖と人質を象徴する存在となった。襲撃前、一家はガザから発射されるロケット弾の恐怖に常におびえながら暮らすことに疲れ、北部ゴラン高原への移住を考えていたという。
ヤルデンさんは、ガザで484日間拘束された後、今年2月に解放された。妻子3人の遺体も帰還した。慰霊碑は、彼が生まれ育った地に建てられ、両親は今もそこに暮らしている。家族はこの地に強い絆で結ばれているという。「結婚式はここのプールサイドで、息子たちの割礼の儀式は、ここのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で行われた。家族4人で週に1度は実家を訪ねていた」と語った。
3人の足跡が刻まれている円形の慰霊碑を前に、「つらい気持ちで、日によっては何も見られなくなるが、強い気持ちにもなれる」と心境を述べた。(M)





