トップコラムルーブル入場料値上げは妥当か フランスから

ルーブル入場料値上げは妥当か フランスから

 世界最大規模のパリのルーブル美術館の入場料が来年1月14日から45%引き上げられ、現在より10ユーロ高い32ユーロ、日本円で約5800円となる。欧州連合(EU)域外からの来館者に適用されるが、二重価格は差別との批判もある。

 値上げは、施設の老朽化対策や安全対策の資金を確保するためとしており、今年10月のナポレオンゆかりの宝石などの窃盗事件以来、ルーブルの安全対策に欠陥があることが指摘されている。だが、フランス会計検査院は、11月に発表したリポートで、過去6年で2700点もの美術品を購入しながら、安全管理をおろそかにしていると指摘した。

 つまり、支出の優先順位に大きな偏りがあったことが指摘された形だ。会計検査院は多くの巨匠の絵画が地下に眠っている中で、入館料を上げるのは矛盾していると批判した。

 これまでダビンチの「モナリザ」の部屋の改修工事などで、日本企業など世界中から多額の資金提供があったが、この矛盾した財務状況について会計検査院は「巨額の献金が集まる状況ではない」と強く批判している。

 フランス政府は最近、学生への住宅補助金を凍結、さらに留学生への住宅補助の打ち切りが国民議会で可決されたばかり。国民の知らないところで、留学生に大盤振る舞いしてきたフランスは、財政赤字圧縮のため、緊縮財政に舵(かじ)を切っている。

 貴重な作品の数々が守られるのは当然だが、プロ集団でもない素人集団に宝石を盗まれたルーブルの金の使い方への監視の目はいっそう強まる流れとなっている。(A)

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