トップコラム観光業も脱中国依存【上昇気流】

観光業も脱中国依存【上昇気流】

 高市早苗首相の台湾有事発言に反発した中国は、日本渡航自粛を呼び掛けているが、観光業界の受け止めは比較的冷静のようだ。ここ数年、インバウンド(訪日客)の脱中国依存が少しずつ進んでいるからで、この流れはさらに強まりそうだ。

 それを象徴するような出来事として、欧米で影響力のある旅行誌「ロードスターズ・アンソロジー(LA)」を発行する英国の旅行会社が、石川県金沢市の旅行ガイド本を来年2月に出版すると、北國(ほっこく)新聞が伝えている。都市別の発行はシドニー、ロンドン、リスボンに次ぐ4番目で、地方都市としては異例の大抜擢という。

 戦災を免れた城下町金沢は、武家文化、庭園、そして食などの魅力が、それほど大きくない町に凝縮されている。米誌ナショナル・ジオグラフィックは昨年10月、「2025年に旅行すべき世界の25カ所」の一つとして東アジアで唯一選出した。金沢を訪れるたびに訪日客の多さ、中でも欧米人の割合の高さを感じるが、その理由が理解できる。

 訪日客を中国以外の国々で増やすことの利点はリスクの回避だけではない。

 訪日客1人当たりの消費額が平均約24万円(今年4~6月)のところ、英国が44万4000円、イタリア39万8000円、ドイツ39万6000円と上位3カ国が欧州だ。大切な顧客としてもっと伸ばしたい。

 日本には魅力的な地方都市が各地に存在する。さらに磨きをかけ、発信を続ければ、旅行通の欧米人の眼(め)が行くだろう。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »