トップコラム在日コリアンとの共生 韓国から

在日コリアンとの共生 韓国から

 これは日本在住10年になる友人の韓国人男性から聞いた話。先日、風邪をこじらせて都内の病院へ行き、出された処方箋を持って行きつけの薬局に行った。「パクさん、お薬の用意ができました」と呼ばれたので会計の窓口に行くと、薬剤師が「実は私、元在日朝鮮人なんです。今は通名の日本名を使ってますがね」と囁(ささや)いてきた。薬剤師は本名の姓が「パク」だったので、同じパク同士で親近感を覚えたということらしかった。「韓国が大好き」とも言っていたという。

 友人は実名で生活しない在日韓国・朝鮮人の事情を、その時初めて真剣に考えたというが、確かにかつて日本社会には在日に対する差別や壁があったし、今も一部に残っている。歌舞伎役者の愛憎をダイナミックに描き、実写邦画で歴代2位の興行収入を記録して話題になった映画「国宝」の監督が在日朝鮮人3世だというのも興味深い。主人公が日本の「伝統」「血筋」という厚い壁に阻まれながらも最後は成功を収めるストーリーには、在日の悲哀、悲願がにじんでいた。

 一方で、在日を巡っては全く別の視点もある。在日朝鮮人の権益擁護のために立ち上げられ、活動してきた日本国内の組織に対し、今年本国から「日本人と仲良くせよ」という通達があり、その真意に疑問が投げ掛けられているという話を聞いた。本国からは拉致や核、ミサイルなどの脅威を突き付けられているのに…。上述の薬剤師や映画監督をはじめ大多数の在日が日本人との共生を願っているだけに、一部で不可解な動きがあるのは残念なことだ。(U)

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