文部科学省の「『科学の再興』に関する有識者会議(第5回)」が開かれ、今後5年間で計3万人の研究者を海外に派遣することや、2030年度末までに博士号取得者数を現状の約3割増となる年間2万人とするなどの数値目標を盛り込んだ提言をまとめた。
実現すれば、研究者の海外派遣数は1・5倍以上となる(31日以上の海外派遣者数の23年度実績は3623人)。その狙いは「国際ネットワークの構築、更には日本人研究者が国際的な研究コミュニティの重要な構成員となること」(提言)で、その“志”が素晴らしい。
従来、留学や派遣といえば、欧米の先進技術、新知識の吸収を目的としたものや、武者修行、箔付けのためであることも少なくなかった。今回、日本の研究者の国際的な地位を高めることをはっきり標榜(ひょうぼう)している。
このほか提言には、科学研究費助成事業(科研費)による挑戦的な研究の採択課題数を30年度末までに倍増させることなど、世界をリードする研究の実現に向けた方策がある。
日本の自然科学系のノーベル賞受賞者の大半が海外留学し、現地でもその存在感を見せてきた。例えば、02年にニュートリノ観測で物理学賞を受賞した小柴昌俊氏。
シカゴ大学の研究員だった33歳の時、空母から巨大気球を飛ばし宇宙からの素粒子を観測する12カ国参加のプロジェクトのリーダーを任された(著書『ニュートリノと私』)。日本人は「やれば、できる」(小柴氏の著書名)。







