
フィリピンでは過去30年で機能的非識字者がほぼ倍増し、約25万人に達した。
機能的非識字とは、文字は読めても生活や社会で必要な理解力や応用力が不足し、日常生活に支障が出る状態のことで、教育環境の深刻な悪化を示している。
その象徴が、圧倒的な教室不足だ。教育省によれば16万5000教室が足りず、約510万人の子供が通路や廊下で授業を受け、2部制や3部制で早朝から夜まで授業を続ける学校も少なくない。
さらに自然災害が状況を悪化させている。9月末のセブ島地震で1200教室が全壊し、11月の台風26号では約1万6000教室が損壊。台風25号でも3200教室が破壊された。数百万の生徒が学ぶ場を失っている。
教育省は今年1700教室の建設を掲げたが、完成したのはわずか22教室。高級コンドミニアムや商業施設は次々完成するのに、学校だけ建設が進まない状況に批判も出ている。校舎建設を担う公共事業道路省が洪水対策に追われていることが理由で、民間への発注解禁も検討されている。
教室不足は貧困を固定化する社会問題だ。私立校という選択肢はあるが庶民には手が届かず、多くの子供たちは壊れた教室や通路の机で学ぶしかないのが現実だ。教室不足は単なる教育の問題ではなく、社会の不平等そのものであり、政府が最優先で取り組むべき課題だ。
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