音楽コンサートの主催者らでつくる団体が発表した数字がこのほど新聞で報道された。昨年の全国の公演数は約3万4000本。その約3分の1が東京都での開催だった。東京近県の神奈川・千葉・埼玉は含まれない。
これに対して、関西の2府4県の合計は約7500本。東京よりは少ないが、健闘していることは確かだ。最少は徳島県の38本だった。東京が多いのは当然だが、それにしても「格差」があり過ぎる。無論、それぞれの芸術団体は東京に集中している。
音楽ではなく演劇の話だが、九州の知り合いによれば「東京は芝居に行くというが、われわれの場合、地方公演の芝居が来るという」。九州から東京まで芝居を観(み)に行くとすれば、時間と費用の面で負担は大きい。
美術の場合でも、東京以西は同じ美術展が各都市を巡回することが多い。しかし、なぜか東京以北は巡回の機会が少ない。仙台・札幌といった大都市も素通りの様子だ。「東京でやっているんだから、東京へ行けばいい」とも言えるが、音楽や芝居と同様、時間と費用の問題は避けられない。
音楽・演劇・美術などに接する機会の「格差」の存在は明らかだ。文化庁もこうした現状を傍観しているわけではない。
劇団などと地方の劇場の連携を支援するため、来年度予算の概算要求に10億円以上を盛り込んでいるという。無責任な言い方だが、「50億円ぐらいは必要」とも思う。それでも、何もしないよりはベターだ。





