トップコラム中国とはどんな国か【上昇気流】

中国とはどんな国か【上昇気流】

 中国とはいったいどんな国なのか。中国人とは何なのか。今日ほど問われている時代はない。中国政府は、台湾は自国の領土の一部だと主張し、「台湾有事」を語る日本の首相は中国を挑発していると批判。台湾統一に向けて武力行使も辞さない構えを示している。

 仏教学者の中村元は中国仏教史を論ずる際に、中国ではなく、シナという言葉を使った。シナは古代から続いた偉大な文化圏のことを指すという。

 これは中華人民共和国とは区別されなければならないと定義した。それ故、中国での仏教の受容の仕方を論じた著書の名を『シナ人の思惟方法』とした。中国に関して今日、目につく言葉は「捏造(ねつぞう)」だ。

 英国のジャーナリスト、ビル・ヘイトンさんが書いた『「中国」という捏造』(草思社)もその一冊。「中国」の捏造、「主権」の捏造、「漢族」の捏造、「中国史」の捏造……と章が続く。

西洋列強と出会った時、中国には国名もなく、「主権」の概念もなく、「国民国家」を成す国民も存在せず、国境線も確定されていなかった。あったのは各王朝の断片的な記録だけで、領海については無関心。

 亡国を防いで近代化をするためには“禁じ手”を使うしかなかったという。それが捏造だった。西洋人の想像上の国「チャイナ」を実在の国家「中国」につくり変え、王朝の分断の歴史を統一民族の途切れない5000年の歴史に書き換え、領土と領海も勝手に決めた。捏造はどこまで進むのだろうか。

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