トップコラム修学旅行で「荷物なし」?【上昇気流】

修学旅行で「荷物なし」?【上昇気流】

 半世紀以上も昔の記憶。高校の修学旅行で関西方面に行った。予定は3泊4日。荷物を持つことが今でも苦手なので、この際「3日や4日の日程なんだから、手ぶらで行こう」と友人2人に提案した。2人は「面白そう」とすぐ同意した。

 さすがに「ハンカチ、ティッシュ、現金ぐらいは持参可能」と決めた。ところが出発の朝、2人の友人を見ると、しっかり荷物を手にしている。彼らはバツの悪そうな顔で「荷物ぐらい持って行け、と親から反対された」と弁明した。

 「3人で決めたことなのに、すっぽかされたのか?」と思った。軽蔑はしなかったが、「世の中は言葉通りにはいかないものだ」とは思った。わが家の両親は反対しなかった。

 「いったん決めたものをあっさりひっくり返す」。高校生ぐらいだと、その辺の塩梅(あんばい)が分からない。が、世間は高校生が考えるほど単純ではない。「荷物なし」は話としては面白いが、手荷物程度はあった方が何かと便利と考えるのが、高校生の親としては普通だ。

 親から言われれば、友人2人も「荷物なし」といった間抜けなことを実行するのはバカバカしいと納得したのだろう。今からすれば、面倒な提案をしたものだと思う。友人を巻き込むことなく、自分一人で実行すればよかったのだ。

 いざ現地へ行っても、移動のバスの中で寝てばかりいた。延暦寺の根本中堂での講話の時も、ほとんど寝ていた。何しに行ったのかよく分からない修学旅行だった。

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