トップコラム世を乱す「鬼神」の業【上昇気流】

世を乱す「鬼神」の業【上昇気流】

 あちこちに出没し蛮行を繰り広げている。クマもさることながら人間、それも「崇高な使命」を担う教師と「安全と安心」を守る警察官のことである。このところ耳を疑うニュースが後を絶たない。

 児童の盗撮画像をSNSのグループチャットで共有していた名古屋市などの教師たち。小学校の校舎内で小4女子児童にわいせつな行為をした川崎市の教師。電車内で女子高校生のスカート内を盗撮した東京・西東京市立小学校の副校長。

 警察官はと言えば、13歳未満の「パパ活少女」にみだらな行為に及んだ大阪府の。警視。女性の下半身を盗撮していた福岡県警捜査1課の幹部。いずれも「魂の殺人」とされる性に関わる犯罪である。

 学校の教員は「教師」(教え導く人)と呼ばれ「高い倫理観と規範意識」(中央教育審議会答申)を必須とする。警察官も「高い倫理観の涵養に努め、職務倫理を保持しなければならない」(職務倫理・服務規則)。それが人の命と尊厳に関わる公人の矜持(きょうじ)である。

 日蓮聖人は「国土乱れん時は先(ま)ず鬼神乱る、鬼神乱るるが故に万民乱る」(『立正安国論』)と警鐘を鳴らした。鬼神は元来、人々を守護する存在だが、それが悪鬼神となって万民を乱す。国土を乱す極みが性の乱れである。

 クマの狂暴化も鬼神の仕業ではあるまいか。里山を荒らし放題にし、名山の山肌を太陽光パネルで覆う人間の業にクマが鬼神と化し怒っている。無論、科学的根拠はないが、そんなふうに思えてくる。

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