
農家の庭や里山に柿の実が色づく季節になった。たわわに実って秋の日差しを浴びている。いつまでも残しておきたい日本の風景だ。
しかし、今この柿の木が悩みの種になりつつある。ブナなどの凶作で里に餌を探しに来たクマが、人家の庭の柿の実を食べるようになった。木に上ったり、地面に落ちたのを食べたりしている映像はショッキングだ。柿の実を採っている人が襲われるということも起きている。
クマが人里の柿を食べるようになったのは、高齢化などで実を収穫しない木が増えたのも原因の一つだ。確かに、実が放置されたままの木を見ることが多くなった。クマ対策としては、早めに収穫するか、木を切ってしまうかになるだろう。
石川県の小松市では、クマが里に下りて来ないように、山間部にドングリなどを植樹してクマの餌場づくりを行ったりしている。実を付けるまで10年ほどかかるが、小松市では今後もこの取り組みを継続していく考えだ。
クマが人里に下りて来るようになった背景には、クマの個体数が増えていることがあるとの専門家の指摘もある。クマが人間に襲い掛かってくるのも、山の中でクマ同士の餌の取り合いが起こっていることが影響しているようだ。
クマ被害を防ぎ、人間と共生していくためには、まず日本のクマの実態をよく把握する必要がありそうだ。そして里山など緩衝地帯をどう再生させるか、大きなスケールで考えなければならない問題だ。





