
再生可能エネルギーの開発に逆風が吹いている。千葉県銚子市沖や秋田県能代市沖など3海域の大型洋上風力事業に参入していた三菱商事が、資材の高騰を理由に撤退を表明した。
未経験の事業内容であるだけに、成算に不明の点が予見されたのか。政府のエネルギー基本計画では、洋上風力は再エネの主力電源化への「切り札」とされている。
洋上風力発電施設の設置で、技術面以外に最も困難なのは、漁業や観光業など地元産業との共生。不漁になったり観光資源にダメージを与えたりしてはいけない。この点、三菱商事は漁業関係者と養殖事業などで協力を約束しており、地元の困惑は大きい。
再エネ開発で、最も早くから研究されてきたのは太陽光発電。今日実用化されているシステムの基礎を築いた愛媛県西条市の研究施設を以前、訪ねた。西条市は瀬戸内海に面し日射量に恵まれ、集光には格好の地。
しかしその後、このような適切な地は全国で案外少ないことが分かってきた。塩害も防がなければいけない。実際、東海道新幹線から望むと、太陽光パネルが田畑の間の空き地や山の斜面の狭い場所に窮屈そうに並んでいる。
ゴルフ場跡地などメガソーラーに適した場所の開発が一巡し、森林伐採も進んで新設用地の確保が難しくなった。また太陽光パネルが、環境に負荷のかかる廃棄物となる時期が早まっていることも分かってきた。将来の電力不足を見据えた再エネシステムの構築が必要だ。





