トップコラム脱与党の公明と創価学会 政権と距離を置く「賭け」【潮汐閑談】

脱与党の公明と創価学会 政権と距離を置く「賭け」【潮汐閑談】

自公党首会談を終えた公明党の斉藤鉄夫代表(右)=10日、国会内
自公党首会談を終えた公明党の斉藤鉄夫代表(右)=10日、国会内

 高市早苗新政権の発足には、そこに至る与野党の政権枠組み争いで公明党の連立離脱が大きなインパクトを与えた。そうした準主役を演じた公明党の「新野党」としての今後の動向から目が離せない。政局だけでなく同党の支持母体である創価学会を含めた宗教的な側面からもスポットを当てる必要があろう。

 自公連立は1999年。当時の背景を見ると、「池田大作名誉会長の国会招致を回避させるためだった。その池田氏が死去した今、その必要性がなくなったことが離脱と深く関係していよう」(本紙10月13日付)。その間の連立関係はさまざまな紆余(うよ)曲折を経ながらも維持されてきた。だが、その背景には公明党にとって常に宗教的な動機や信条が厳然としてある。それが「平和の党」「人間中心の政治」といった結党理念だ。それを実現する上で政治の場で政権与党としての位置に大きな意義があったのである。

 それから26年――。離脱には、最大の問題とした自民党の「政治とカネ」問題のほか、いろいろな臆測が飛び交う。特に保守的な「高市カラー」に対する反発、そして時に自民党に追随せざるを得なかった場面、さらには選挙協力面での学会員の葛藤や疲弊がある。選挙のたびに衰退する党勢に「与党疲れ」の側面も見逃せない。

 それだけではない。岸田元政権下における旧統一教会問題を巡る「宗教の自由」に対する厳しい姿勢を目の当たりにした。もっとも公明党は旧統一教会問題を信教の自由の問題ではなく、「過剰な献金強制」「政界との癒着」といった社会的法的な範疇(はんちゅう)と見なし、この問題に直接的に介入することはなかった。

 だが、献金=お布施や「政治と宗教」という関係性で同様の問題を抱えていることが取り沙汰された。これも影響し、特に憲法・安全保障路線の「違い」に忍従してきた公明党にとって「連立」への熱意が薄れたのは間違いない。宗教団体への規制、特に宗教法人に対する税制優遇に対する厳しい世論が台頭している点などは宗教界全体に関わる懸念材料といえよう。

 こうした中での連立離脱。今後の公明党の立ち位置が注目される。斉藤鉄夫代表は「(自民党と)敵対するわけではない」と強調しているが、これまでの“与党内野党”の役割から野党として真正面から高市政権に対しクギを刺すことになるのかどうか。

 一方でリスクも大きい。選挙協力という一縷(いちる)の「パイプ」はあっても、従来のように政権からの“配慮”は期待できない。新連立の日本維新の会とは大阪・関西で激しく競合する。政権与党との距離感は極めて深刻になりかねない。公明党(創価学会)は大きな賭けに出たといえる。
(黒木正博)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »