
「芸術は爆発だ」とは、1970年の大阪万博で「太陽の塔」を制作した芸術家、岡本太郎氏の言だが、それに倣うなら「政治は熱量だ」と言えまいか。
自民党総裁選から新首相誕生に至る政治劇は、高市早苗氏の「熱量」が行方を決したように思われる。連立を組んだ日本維新の会の吉村洋文代表は高市氏との会談後にこう述べている。「すごい熱量がありました」。
万博だけでなく政治家も今、関西が旬のようだ。高市氏は奈良県、吉村氏は大阪府の出身。右の神谷宗幣参政党代表(元大阪府吹田市議)、左の山本太郎れいわ新選組代表(兵庫県宝塚市出身)、大阪湾を渡れば玉木雄一郎国民民主党代表(香川県出身)がいる。いずれも熱量がある。
大阪の自民はどうか。ひと昔前には顔が見えた。小泉純一郎内閣のご意見番で「塩爺」の愛称で親しまれた塩川正十郎元財務相、国会の憲法論議を牽引(けんいん)し「ミスター憲法」と呼ばれた中山太郎元外相。そんな熱量のある政治家がいた。
それが自公連立の下で公明党票に依存するようになり熱量が減じた。2015年の大阪府・市のダブル首長選挙では共産党と反維新連合を組み「自由共産党」と揶揄(やゆ)された。当時のメディアの出口調査では自民支持層の4割が維新候補に投票した。かくして自民の顔が大阪から消えた。
政治は言葉で営まれる。その言葉の熱量が人々の心を捉える。自維連立の将来を占うバロメーターは紛うことなく熱量である。





