
海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」(5万6000㌧)が昨年9月、宮城県沖の日本海溝沿いで行った掘削が、「最も深い海洋科学掘削」としてこのほどギネス世界記録の認定を受けた。
水深6897・5㍍の海底で980㍍掘削し、海面から船上までの高さ28・5㍍を合わせると7906㍍という驚異的な数字。ちきゅうはまだどの国も成していない地殻下のマントル層の直接調査も目指している。
そのための武器がライザー式掘削。ライザーパイプという外管を押し込み船と海底を一体化させ、その中でドリルパイプによる掘削を行う。安定した試料採取が可能だ。
ちきゅうは地震の仕組みなど科学調査のための掘削に加え、レアアースなどの資源探査にも貢献している。しかし近年注目されたメタンハイドレートについては2025年現在、商業化・本格採掘に至っていない。大企業も参入するが、課題が多く実用化のメドが立たないという。
気流子は、11年進水した海洋資源調査船「白嶺」(6200㌧)が海底から採取した鉱石を見せてもらったことがある。原形を保ちズシリと重い手応えが残った。ちきゅうの世界最高レベルの掘削能力を、鉱物資源の探査にもっと利用してもいいのではないか。
今、多くの国は産業、国防分野で宇宙に関心の目を向けている。わが国は海洋国家として宇宙開発と共に地球内部の探査でも明確な目標を立て、世界で主導的な役割を果たしていくべきだ。





