トップコラムインバウンドの地方格差【上昇気流】

インバウンドの地方格差【上昇気流】

 日本政府観光局は今年1~9月の訪日外国人が3000万人を超えたと発表した。年間3687万人と過去最高だった昨年より1カ月も早く到達し、初の年間4000万人突破も視野に入ってきた。

 地方へ行って思うのは、インバウンド(訪日客)の旅行先の選択肢が確実に広がっているということだ。初めて岡山から米子へ行くのに伯備線に乗ったが、特急「やくも」にも欧米。から来たと思われる訪日客がちらほら見えた。自分が初めて行く日本の地方に外国人もいるというのは、ちょっと不思議な感覚だ。

 一方、国内でそれなりに有名な観光地や県庁所在地に行っても、さっぱり訪日客を見ないという所も少なくない。実名は挙げたくないが、駅前はシャッター街が続き、住民の姿も少ないという県庁所在地もいくつかあった。

 内外の観光客で賑わっている都市とそうでない所の差が大きいのだ。それは魅力の差とも言い切れない。新しい地方を訪ねるたびに、独特の食べ物、手ごろなものではいわゆるご当地ラーメンもあって、地方色の豊かさを感じる。

賑わいに差が生まれるのは、交通の利便性のほかさまざまな要因があるのだろう。特に、最近はSNSでの発信がものをいう。

 インバウンド拡大の鍵は地方誘客とモノ消費からコト消費への転換と言われる。コト消費のベースにはストーリーが必要になってくる。それぞれの地方が改めて自分たちの故郷にストーリーを探し出す時代になってきた。

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